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studio dubreel エンジニア。ベース/ギター/パーカッション奏者でジャンル問わずGrooveのある音楽が好き。特技はたこ焼き、インドカレー、スズメバチの生け捕り。

レコード用のマスタリングとは?違いや注意点をチェック!

レコード用のマスタリングとは?

最近ではクラブミュージック以外のジャンルでもレコード/Vinyl (バイナル)でプレスするアーティストが増えていますね。

当スタジオでもレコードプレスのプレマスタリングの依頼が年々増えており、新旧のメディアで音源がリリースされる現状を嬉しく思っています。

ただ意外と知られていないのか、レコードとCD/配信で同じマスターを使ってプレスするレーベルやアーティストも多いようです。

CDと同じマスターを使ったり同じ曲数/曲順だと音が悪くなるケースがあるのを知っていますか?

せっかく素晴らしいメディアで作品を作るなら知っておいた方が良いので、レコードプレスを考えているアーティストやレーベルはぜひ読んでみてください!

CDとレコードの1番大きな違いは?

CD_vs_vinyl

●CDはマスタリング後の音質がプレス工程で変わる事は、ほぼないと言ってよい。

●レコードではマスタリング工程、プレス工程(カッティング)、この2点で音質に変化が起こる。

つまり分かりやすく言えば、CDはマスタリングの音質が最終的な作品になるのに対して、レコードはマスタリングした音質が最終ではなく、その後のプレス工程(カッティング)でも音圧や音質が変化するという事です。


CD/配信「マスタリングスタジオで聴いた音質/音圧 = リスナーに届く音」
レコード 「マスタリングスタジオで聴いた音質/音圧 ≠ リスナーに届く音」


ですので1番の理想はマスタリングもカッティングも同じエンジニアに作業してもらい、アーティスト/レーベル立会いで行って原盤となるラッカー盤をつくってもらう事です。

ただそういったスタイルはコストがかかりますし海外プレスだった場合、立会いも難しいです。そういった場合は、レコードプレス用のプリマスタリングをしてもらい、カッティングはプレス工場でテストカットのオプションを付け、カッティングも一度確認するのがベストだと思います。

レコード用のプリマスタリング

上に書きましたようにレコードプレスではプリマスタリングのあとに、レコードの原盤となるラッカー盤をつくる工程、カッティングがあります。

このカッティング工程で最終的な音圧や音質が決まります。仕上がりにはカッティングエンジニアの技術も大きく関わってくるのですが、カッティングで使う音素材となるプリマスタリング後のマスターの状態も非常に重要です。

腕のよいカッティングエンジニアでもカッティングを考慮したプリマスター音源でないと実力を発揮できないのです。


レコードプレス用のマスタリングならではの注意点をあげてみたいと思います。

※書かれている数値に関してはマスタリングエンジニアによっても異なりますので、あくまで目安に。

【音圧】
●ヘッドマージンは1〜2dBはあけ、音圧を入れすぎない(RMS-14〜10)

【低域の逆相】
●低域(80〜200Hz以下)の逆相の確認

【超低域の量】
●超低域を入れすぎない(30Hz〜50Hz)

【高域のピーク】
●高域のピーク(ボーカルの歯擦音やシンバル等)をできるだけ抑える

【曲順】
●曲の内容を考えて曲順も配慮する。音圧や勢いのある曲は前半に
●曲の長さと音質の関係を知る。音圧や低域を強くしたい場合、曲が短い方がベスト

それでは各項目を順に詳しく説明したいと思います。

【音圧】

CDや配信において最終の音圧はプリマスタリングで決定しますので、ヘッドマージンは0.2~0.1dB程度あけ、アーティストが希望する音圧に仕上げます。

しかしリミッターでキチキチに音圧を詰めた音素材はレコードのカッティングには向かず、逆にパワーがない仕上がりになる事もあります。

プレス会社にもよると思いますが、大体RMS-14〜10程度にするとレンジに余裕があるかと思います。ただクラブミュージックやロックなどリミッターの演出がマッチするジャンルもありますので、事前にプレス会社に最適な値を聞いておくとよりベストですね。

【低域の逆相】

レコードは特性上、低域に逆相の音が多いと歪みや針飛びの原因になったりします。

マスタリングでは低域の逆相をチェックして問題があれば調整します。私の場合は80〜200Hz辺りをチェックし、音源のステレオ感に影響しない周波数以下はモノラル方向に調整します。

打ち込みの場合、低域パートにコーラスをかけてステレオ化したりしているのであれば、周波数をわけてレイヤーして対応したり、男らしく(笑)低域パートはモノラル化するのもクラブミュージックなどは良い案だと思います。

【超低域の量】

低域になればなるほど、溝の幅が増えマージンをあける必要が出てきますので収録時間等、犠牲になる点が出ます。

ただジャンルによっては超低域も重要になるので、音の迫力や聴こえ方が変わらない範囲で入れすぎないようにマルチバンドコンプやEQで調整します。

【高域のピーク】

超低域と同様に高域のピークも歪みや音飛びの原因になるので、強い場合はディエッサーなどで調整します。

声やシンバルに高域のピークが出やすいのでレコーディングやMIXの際にレコードが完成メディアと伝えておけば、配慮して対応してもらえるかと思います。

【曲順】

レコードはメディアの性質上、曲順、曲数/曲の長さ、によっても音質が左右されます。

収録時間は少ない方が音圧も高く、また音質も良いレコードになります。LP(12インチ45回転)などは片面5〜12分以内であれば高音質な作品になるんではないでしょうか?音圧や十分な低域が必要なクラブミュージックは片面これくらいのサイズのものも多いかと思います。

また外周と内周では同じ時間あたりの情報量が変わります。外周の方が音圧も高く高音質になってきます。これはメディアの性質上さけられないので曲順で対処するのが昔からの王道ですね。

例えば、一番外周である1曲目に派手めだったりパンチにある曲を持ってきて、内周になるにしたがって静かめな曲にする、、、等。

テストプレスは必須オプション

ここまで読んできてくれた方はわかると思いますが、カッティングでも音が変わるので、プレス時はテストプレスのオプションはつけた方が良いです。

立会でカッティングしてもらう場合は必要ないですが、立会でないカッティングの場合のテストプレスは私の中では外せない必須事項です!

テストプレスで仕上がりの確認しないというのは、オンラインでマスタリングをしてもらい音を確認しないままCDプレスをすることと同じくらいリスキーな事だと経験上思います。それで後悔するケースもよくあるパターンです、、、。

納品時にプレス会社に音に関する要望も出せますが、プレス時には針飛び等のエラー防止のため、マージンをみて音圧は低めに設定されてしまう事も多いです。

そういった事も考えると予算は増えますが、テストプレスして音圧や音質を確認し、問題があればさらに要望を出しミーティングした方がイメージに近い仕上がりに持っていけると思います。

作品の企画段階で考慮しておくこと

まずプリマスタリングの項目で説明したようなポイントは、アレンジや録音、MIXの段階でも考慮していると良いです。

だれでも一番簡単に取り組め効果的なのは【収録する曲数/曲の長さ、曲順】をレコードという媒体にあわせ決める事です。作品のターゲット/目的/ジャンルを考え、音質と曲数のバランスを設定するのが良いかと思います。

他にはトラックメイカーなどであれば、超低域の量や低域の逆相、高域のピークなどはアレンジ/打ち込みの段階から処理しておくとベストですね。バンドなどであれば、レコーディングやミックスでエンジニアにアナログプレスする旨を伝え、相談すると対応してくれるのではないかと思います。

上級者になってくればバンド系の作品でもアナログ向けなアレンジや曲作りを取り込んで、より上を目指してアレコレするのもレコード媒体ならではのクリエイトで楽しめるんではないでしょうか?

まとめ

おつかれさまでした!

レコード媒体ならではのマスタリング、そして注意点をなるべく分かりやすく書いてみましたが、いかがでしたか?

「なんだか大変だな〜」と思う人もいれば、「やっぱりレコード楽しそう」と思う人もいると思います。

私は圧倒的に後者です(笑)!!!

デジタルと比べてレコードならではの不安定さや変化、、、こういったアナログな面が音楽にはあっているというか、作品により深みをあたえて昇華してくれてるんじゃないかとレコードを聴くと感じます。

アナログ好きとしてもエンジニアとしても、この記事が良きレコード作りのお役にたてれば嬉しいです。

ミックスダウンのコツ。プロも必ず使うプラグイン4種類をまず知っておこう!

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現在はものすごい数のプラグインが発売されていますよね。プロのレコーディングエンジニアも多くのプラグインを所有している方が多いです。

ただミックスダウンで毎回全て使うかと言われれば、そんな事はもちろんありません。音作りで使うエフェクトは意外と基本的なものしか使っていないケースも多いのです。

今回はプロのエンジニアがミックスダウンで必ず使うプラグインのカテゴリー/ジャンルを紹介していきたいと思います。

知っておけばMIXの時にプラグインを選ぶ指針の1つになると思います。


●ミックスダウンに必須の4種

MIXのベーシックな音作りは、この4種類でできると思います。もちろん他のプラグインも使っていきますしエンジニアによって必須なものは多少変わってくるとは思いますが、基本軸は共通だと思います。

私は大体MIXの70〜80%はこの4つのカテゴリーのプラグインやアウトボードで処理しています。

コンプ

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何はなくともコンプ/リミッター。録音時にも使うことが多いエフェクトですね(かけ録りではアウトボードの割合が高い)。

コンプ/リミッターはすごく簡単に言うと『大きい音が入ったら下げる』という動作をするエフェクトです。そう聞くとシンプルですが非常に奥が深く、また極めていくには時間のかかるものです。

ミックスダウンでは、

  • ボーカルや生楽器のように音量差が大きいパートにかけて音量を安定させる。
  • アタック/リリースTimeの設定で音の前後感や残響感をコントロールする。(※1)
  • アタックTimeの調整により音色や倍音もコントロールできる。(※2)
  • リミッターにより極端なピークを抑える。
  • 実機エミュレートしてあるものは特有の色付けも得られる

といった様々な効果を狙ってパラメーターを調整します。

使いこなせばリバーブ(※1)やイコライザー(※2)的な効果も出せる非常に重要なエフェクトです。


EQ/イコライザー

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パートの周波数特性をコントロールするもので、

  • 各楽器の大胆な音色作り
  • 各楽器の分離感のコントロール
  • 縦の位置(周波数)の調整

等の調整でミックスを仕上げていきます。

使い方に決まりはないですが、『楽器的な音色作りではブースト(増幅)/カット(減衰)両方向』、『各パートの分離感の調整ではカット方向』で使うことが多いですね。

イコライザーもコンプ同様、録音時にもハード機材でかけ録りするケースも多いエフェクトです。


ディレイ

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空間系エフェクトで簡単にいえば『やまびこ』効果を作り出すシンプルなエフェクトです。

しかし、

  • はっきりとかけてエフェクティブなディレイ効果
  • 隠し味的にかけて音に広がりや厚みを出す
  • Timeをモジュレートさせてコーラス/フランジャー効果
  • テンポとシンクロさせてGroove感を出す

というように、様々な効果が演出できます。

ちなみに私はリバーブかディレイ、片方しかMIXで使ってはいけないと言われたらディレイを選びます(そんな事言われることはないですが…笑)。なぜならリバーブ感のコントロールは先ほど書いたようにコンプでもある程度は可能だからです。


リバーブ

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ミックスで残響、広がり、距離感を演出するエフェクトで歌ものでは特に必須です。

  • 音に広がりや奥行きを加える
  • 隠し味的なリバーブでオケになじませる
  • サンプリングリバーブで空間の鳴りを付加させる

リバーブによっては声や音に『艶、しっとり感、キラキラ感』等の質感を加える事もできます。またEQやコンプ、ディレイといった他エフェクトと組合せて使う事が多いですね。

最近は比較的ドライな音作りが主流ですが、そういった音作りでもリバーブは重要なエフェクトです。一聴ドライに聴こえるようなパートでも的確なリバーブ処理があって歌や楽器が『上手く、またプロっぽい音』に仕上がります。


まとめ

以上、ミックスダウンに不可欠な4つのプラグインのカテゴリーを紹介しました。

もちろんこれ以外にも多くのエフェクトを使用しますし、挙げていけばキリがないですが、、、ミックスダウンで軸になるのはこの4つになると思います。

最低限この4つの種類のエフェクトがあれば聴かせられる2MIXを作る事は可能です。ミックスの初心者の人や中級者以上でもミックスがうまくいかない時は、ひとまずシンプルに4種だけを使ってミックスダウンしてみてはいかがでしょう。

エフェクトの種類が限定されている分、音に集中できますし新しい着眼点が見つかるかもしれません。

ぜひ試してみて下さい。

Belden88760を使った、D-Subマルチケーブル制作。

スタジオでI/Oに使っているD-subマルチケーブル。

D-sub25_belden88760本来ならマルチケーブル用途の市販ケーブルを使うのですが、スタジオ立ち上げ時にワイヤリングで使ったマルチケーブル(BELDEN 1512C)の音質が気に入らなかった経緯があり、難易度は高いですがBELDEN88760を8本重ねてD-sub25 マルチケーブルを作りました。

88760を選んだ理由は、『自分が音質をわかっている市販ケーブルで、極力細いもの』だったからです…(笑)。

Organic Wireであれば、いちからワイヤーを作るのでマルチケーブル仕様も制作可能なんですが、時間がかかるため今回は88760で作りました。時間がとれたらOrganic Wireバージョンも制作したいなとは考えています。

88760 D-sub、音質は通常のマルチケーブルより音痩せもなく中々良いんではないでしょうか。一度依頼されて同じものを制作した時も同様の感想をもらいましたし。

ただケーブルが硬いので取り回しずらいのとDsub側のプラグが写真のように若干閉まりきらないのが少〜し難点ですかね。

しかしケーブルのグラつきはなく機材へのコネクトもしっかりネジで固定でき、使い勝手には影響しないので問題なしです。

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また市販のマルチケーブルと違うのは8ch全てが赤色なところですね。

通常のマルチケーブルはケーブルの色で何番のチャンネルか分かるようにカラーコード仕様になっているんですね。うちのスタジオ内のワイヤリングも基本カラーコードで色分けしていて慣れているので全て赤では使いづらいのです…。なので今回はXLRプラグ側でカラーコードに対応させました。

なかなかカラフルで気に入っています。

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マスタリングとは?プロのやり方や手順、その意味と重要性を知ろう!

マスタリングとは?

CD/音源制作の仕上げ工程となるマスタリング。その意味や重要性、実際に行われている作業工程を紹介してみようと思います。

プロの作業手順なども例にあげますが、なるべく分かりやすくシンプルに説明したいと思います。

マスタリングとは何か?

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本来はCDプレス工程で原盤(スタンパー)を制作する工程を意味します。しかし現在マスタリングという言葉を使う時はスタジオ側もアーティスト側も『プリマスタリング』の意味でマスタリングと言っているケースがほとんどです。

【プリマスタリング】

ミックスダウンを終えた各曲を1つの作品としてバラつきなく聴けるように、『音量』『音質』『フェードイン・アウト』等を調整した後、曲間の調整や必要となるコード(※)の入力を行い、マスターCD-RかDDPファイルでマスターを制作する事です。

※「コード」 CDの場合マスターに入力されるコードには、PQコード(曲の開始/終了時間をきめるもの)、ISRC(各曲の国際標準コード)、POSコード(バーコード)等があります。

マスタリングの重要性

●バラバラの音質や音圧を揃えて1つの世界観にそろえる

アルバムによっては収録曲ごとにMIXエンジニアが変わるケースも多いですし、たとえ同じエンジニアでもミックスダウンは各々の曲の世界観を作るために調整している為、質感や音量感にバラつきが必ず出てきます。

それをトータルの視点から音質/音量を整えてやることでCD全体を通して聴きやすく、世界感が統一された作品に仕上げることができます。


●ミックスダウンで満足いかなかった点を改善する

ボーカルは引っ込めずにギターのやかましいところを抑えたい、キックを抑えつつベースラインを強調したい等、、、ミックスダウンを終え2mix(※)になってしまったら実現できなさそうな要望でも、優れたマスタリングエンジニアなら大体の要望は対応できます。

ただし、、、こういったパートごとの調整は本来はミックスダウンに立ち戻って改善をするのが本筋ですので、可能であればミックスダウンの工程に戻って再調整しましょう。

ただ

  • アーティスト自身のミックスダウンで技術的に改善できない。
  • プロにミックスダウンを依頼したが予算の問題で希望レベルまで持っていけなかった。

というような不可抗力なケースもあります。そういった場合では『マスタリング工程でアーティストのイメージに近づける作業』は必要かつ重要になってきます。

※「2mix」 マルチ録音されてそれぞれ音調整が可能だった複数のパートを、ミックスダウンでバランスを取り作品としてステレオにまとめた状態。ステレオでL/Rの2チャンネルだけなので2mixという。


●音の世界観や印象を崩さずに最終フォーマットに落としこむ

これは簡単にいうと『高解像度のレート(例えば96kH24bit)でレコーディング、ミックスダウンされた音源の世界観や印象を崩さずに、販売されるメディアのフォーマットで音を仕上げる』という作業になります。

このポイントは機材面でもノウハウ的にもハイレベルなものが要求される難しい工程になります。

現在オンラインを含め利用できるマスタリングサービスは価格帯/内容から質まで非常に幅が広くなっています。ただこの工程は良質なマスターレコーダーやアウトボード、電源環境、ケーブル、、、そして何よりエンジニアのノウハウが非常に重要になってきます。

この工程が高いレベルで行われているマスタリングはプロ基準を満たしていると判断する1つの材料と考えても良いと思います。

マスタリングの基本的な手順

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ここではマスタリングの手順を知ってもらう為にstudio dubreelでおこなっているマスタリングの手順を一例として解説してみます。基本的な流れは共通していると思いますがエンジニアによって各々にノウハウがあるので、あくまで一例として参考にしてみてください。

1.素材となる2mixの読み込み

まずミックスダウンを終えた2mix素材をDAWソフト(私はProToolsを使用)に読み込みます。

マスタリング素材は録音/ミックスダウン時のビットレート・サンプリングレートで書き出してもらい、特別な理由がない限りマスターエフェクトやディザ/ノーマライズ等も外して書き出します。これはマスタリング素材として、よりピュアな状態にしておくためです。


2.音の調整

シングルであれば楽曲の個性をさらに引き出しつつ、様々な再生環境でバランスが崩れない音に。さらにアルバムであれば全体の世界観や曲の流れを踏まえ、音を調整していきます。

私はデジタルが得意とする工程はプラグインで、アナログが得意とする工程はアウトボードで音を調整していきます。

デジタルで行う作業
マルチバンドコンプ、リニアフェイズEQ、位相修正、クリップ(歪)修正やノイズカット等。

アナログで行う作業
コンプ(プラグインでは出せないコンプ感や倍音の付加)、カスタムアンプによる音色の変化、オープンリールをマスターレコーダーにする場合テープコンプ等。


3.アナログ出し

ProTools→アウトボード→マスターレコーダーといった接続でアナログ出ししてマスターレコーダーに録音します。私は通常、DSDレコーダーをマスターレコーダーとして使っています。


4.販売フォーマットへの落とし込み

納品メディアにあわせたビットレート/サンプリングレートに設定したDAWに、DSDレコーダー→ProToolsで録音します。例えばCDの場合は44.1kH/16bitに設定します。

また別途、映像用のオーディオマスター(48kH/16bitが多い)やハイレゾ配信用マスター(96kH/24bit〜)などが必要になるケースでも、音の世界観やイメージを崩さずに各々のフォーマットにあわせたマスターが制作可能になります。


5.最終調整/マスター制作

曲のフェードイン・アウトや必要があれば音質/音量の最終微調整を微調整を行い、マスターオーディオファイルとして書き出します。その後、曲間やISRC/POSコード等を入力しマスターを制作し完了となります。


デジタル時代の新しいマスタリングSTYLE

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これから紹介する2つは、デジタル環境が整ってきた今だからこそ進化してきた新しいマスタリングSTYLEです。


●オンラインマスタリング

ネット環境を利用してスタジオにマスタリング素材を納品しマスタリングを行う方法のことです。マスタリングの手法自体が新しいわけではなく、昔と比べ大容量の高速ファイル転送が可能になったから普及してきたSTYLEです。

【メリット】

  • 海外のマスタリングスタジオでも旅費がかからない。
  • オンラインでやりとりするので時間効率が良い。

【デメリット】

  • 音をリアルタイムに聴きながら判断や要望を伝えることができない。
  • 現場にいることで学べる事、エンジニアからの話、といった+αはない。

●ステムマスタリング

これは通常のマスタリングとは違い『1つの曲を複数のステレオファイルで出力し、それらを素材にマスタリングする手法』です。

例えば3ピースバンド(Vo,Gu,bass,Drum)だった場合、『Kick』『kick以外のdrums』『Gu』『bass』『Vo』の様にエンジニアが判断して複数のステレオファイルでマスタリング素材を納品します。

複数のパートのオーディオファイルがあるので一見ミックスダウンと同様にも受け取れますが、基本的に複数のステムファイルはそのまま並べて再生すれば曲として完成されたバランスになっているところがミックスダウン工程との大きな違いです。

なので複数のファイルがあっても再生すれば2mix扱いになるため、基本的なマスタリングの流れは、先程あげたオーソドックスな手順と同様に行います。

ですが、例えば高域を持ちあげたい場合にドラムのシンバル類はHIがもっと欲しいがギターの高域はそのままでいきたいといった様なケースになった場合、ステムマスタリングは各々のパートをいじれるので非常に効率よく短時間でイメージに近い世界感に仕上げる事が可能なのです。

ステムマスタリングはこれからまだまだ進化していく手法だと思います。


まとめ

長い間おつかれさまでした。

なるべく簡潔にしつつも詳しく分かるように書いたつもりですが、ノウハウや手順を深く語り始めれば1冊の本でも収まらないくらいマスタリングは奥の深い作業になります。

ですのでDAWやソフトがいくら進化しても、高いレベルの音を追求しているマスタリングエンジニアは今後もアーティストの理想の音をつくる職人としてより必要不可欠な存在になっていくと思います。

マスタリングは1曲からでも受けてくれますし、一度自分の楽曲でしっかりしたレベルのマスタリングを受けてはいかがでしょう?

可能であればぜひ立ち会いがおすすめです。とても勉強になりますし、音への視野や表現力が広がると思いますよ。

ギターやベースのフレットの音やインターバルを覚える為のアプリ『Fretronome』

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ギターやベースのフレットボード上の音名やインターバルを覚えるのに便利な『Fretronome』というアプリがあります。

古いブログでも紹介していましたが少しVersionUPしていたので、新しいBLOGで書きなおしました。


Fretronome 1.3(¥120)App
カテゴリ: ミュージック, 教育
販売元: Thomas Sulzbach – Thomas Sulzbach(サイズ: 8.4 MB)
全てのバージョンの評価: 無し(0件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


音名やインターバルが画面上のフレットボード上にランダムで位置が表示されるので、それに答えるという感じのアプリになります。フレットボードの図はギター仕様なので6弦になってますが、ベースの人でも1~2弦は無視すれば(笑)、問題なく使えますよ〜。

●Fretronomeの使い方

使い方は簡単で起動するとまず音名テストのモードになっています。『notes』というボタンをタップするとフレットボードに位置が表示されて音が鳴ります。もう一度タップすると答えが表示されます。

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また左側の矢印マークをタップすると弦が選択できるようになり指定の弦だけで問題が出せるようにも出来ます。タップした弦が除外されます。

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また個人的にはこちらの方が実用度が高いインターバルのテスト。画面下のメニューバーでインターバルモードに切り替えて、『interval』をタップするとフレットボードに2つの位置が表示され①→②の順に音が鳴ります。1の方がルートになるので1から見て2が何度になっているかを答える感じですね。

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『Notes Reference』はフレットボード上の音名の表示、『intervals Reference』はROOTをAとした時のフレットボード上のインターバルの表示です(ROOTがA以外に変えれるような気がするのですが設定方法が今だ見つかりません…笑)。

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ギタリストやベーシストの人は暇な時にゲーム感覚でフレット上の音やインターバルを覚えてみてはいかがでしょう?

特にインターバルは意外と即答できないパターンがあったりと発見があって面白いですよ〜(笑)。


Fretronome 1.3(¥120)App
カテゴリ: ミュージック, 教育
販売元: Thomas Sulzbach – Thomas Sulzbach(サイズ: 8.4 MB)
全てのバージョンの評価: 無し(0件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


あらゆる物をドラムシンセにできる『impaktor』。Wavedrum miniの様なiOSアプリ。

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リリース時に購入したドラムシンセアプリ『impaktor』、久しぶりに触ったら楽しかったです!以前のBLOGに記事を書いていたので新ブログにも移植しました。


Impaktor – The drum synthesizer 1.3(¥600)App
カテゴリ: ミュージック, エンターテインメント
販売元: BeepStreet – Jaroslaw Jacek(サイズ: 9.9 MB)
全てのバージョンの評価: (23件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


このアプリはiPhoneのマイクから拾った音でトリガーして内部シンセの音を鳴らすので、身の回りのもの、、、例えば机を手で叩いたり、箸で茶碗叩いたり、そういったプレイでドラムシンセを鳴らせるアプリなんですね。

以前購入時にプレイ動画を撮ってみたので見てもらえば大体どんなアプリか分かると思います。

どうでしょうか?
かなり面白いアプリですよね。

私はパーカッション奏者でもあるので、この手のものには辛口になり易いのですが(笑)、 演奏へのシンセの追従もなかなか気持ちよくついてきてくれてると思います。

ただマイク入力からの音でシンセをトリガーしているので、ライブで使うとなると色々と試行錯誤しないと難しいと思います。動画でもヘッドホンでモニターしてます。そうしないとスピーカーからの音にも反応して二度鳴りしたりしてしまいますね…。

私はパフォーマンス用途よりもドラムシンセとして買った部分が大きいので、シンセのチェックもかねて動画での音色もタブラ以外は自分で作ってみました。

『Sunrizer』もシンセとして痒いところに手が届く作りだったので期待してましたが、期待通りかなり細かく音作りできるドラムシンセサイザーだと思います。はじめはモジュレーション系が少し解りにくかったですが、入力音の変化でパラメータをモジュレーションする事も可能ですよ。

ただ現状では音を出すにはiPhoneのマイク入力が必要で、モニタースピーカーを使って音色作りすると音が二度鳴りしたり机叩いた音で細かいエディットがしにくいので、画面内にトリガーボタンを設けたりMIDI入力対応してくれるとさらに使いやすいものになると思います。

ヘッドホンさえあれば、どこでも何でもドラムシンセ。時間を忘れて楽しめます〜!


Impaktor – The drum synthesizer 1.3(¥600)App
カテゴリ: ミュージック, エンターテインメント
販売元: BeepStreet – Jaroslaw Jacek(サイズ: 9.9 MB)
全てのバージョンの評価: (23件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


周波数、ヘルツ表記でのチューニングができるチューナーアプリ『Tunable』。楽器練習にもオススメ!

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今まで色々なチューナーアプリを試したり購入したりしましたが、ずっと探していた機能をもったチューナーアプリを見つけたので紹介します。


Tunable: Tuner, Metronome, and Recorder 1.2(¥360)App
カテゴリ: ミュージック, ユーティリティ
販売元: AffinityBlue – Seth Sandler(サイズ: 12.5 MB)
全てのバージョンの評価: (25件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


このTunableは『チューナー』『メトロノーム』『レコーダー』が1つになっていてミュージシャンが楽器練習に使うのに便利なアプリに仕上がっています。ただ私が探していたのはTunableのチューナー機能で【周波数/Hzに特化したチューニングが可能】になっています。

Tunableのチューナー機能の特徴ですが、

  • 鳴らした音を音名ではなくHzで表示してくれる
  • 音が時間軸にそってグラフの様に表示可能。
  • 基準のA(通常440Hz)を100Hz〜1000Hzで設定し、音で鳴らせる。

となっています。

他に中々ないHz対応のチューナー機能

写真のようにチューニングすると弾いている音の周波数と音名が表示されます。またリアルタイムで音の高さが時間軸にそって表示されます。

下の写真はベースでビブラートをかけてみた時のもので、楽器でビブラートの幅を揃えたりする練習にも視覚的に分かりやすく使えますよ。
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また通常のチューナーは基準のA音を440Hzで音で鳴らせるものは多くありますし、キャブレーション機能により440Hzを410〜480程度の幅でかえることが可能なチューナーもあります。

しかし、なんとTunableは基準のA音を100Hz〜1000Hzまでの幅で設定する事が可能になっています。また基準音をピー音で出力可能なので100Hz〜1000Hzまでの音を出せるオシレーターとしても使えますね。最近よくみるソルフェジオ周波数(528Hz)などの音も出せます。使い方は下記のように簡単です。

●六角形の音名がキーボードになっていて押すと音が出せます。A4が基準音のAになりますので、デフォルトだと赤丸のA4を押すと440Hzが出ます。
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●あとは【Setting】ページにあるキャブレーションを出したい周波数に設定してあげて、A4のキーボードを押せば設定した周波数が鳴ってくれます。
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メトロノームと録音機能

メトロノームもシンプルで使いやすかったです。拍数は1〜16まで、連符は1〜8まで設定可能です。

またチューナー画面の時にも【右上にメトロノーム再生ボタン】が表示されているので、タップすればメトロノーム画面でなくてもCLICK音は出せますよ。
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また録音機能も【RECORD】→【start recording】の2タップのみとシンプルです。ここでも練習に向いているなっと思ったのはメトロノームを鳴らしながら録音できる点です。なのでCLICKにあわせての楽器練習の録音は、そのままTunableだけで完結できるので便利だと思います。

だた音質はあまり良くないですが、これはメーカーサイドも練習録音やmemo用途と割り切っているんだと思います。

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録音後のファイルも色々とシェア機能がありますので、メールでPCに送ったりオプションにはDropBoxやEvernoteに送ったりが可能です。
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また六角形のキーボードのスケールも色々と選択が可能になっています。デフォルトはもちろん【平均律 Equal temperament】になってますね。【Setting】ページにある【temperament】から選択可能です。こちらも充実していますね〜。
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わたし個人は持ち運べるiPhoneで周波数に特化したチューナーがあるといいなっと思っていたので、このチューナー機能のために買いましたが(笑)、多機能ながらシンプルな操作感で楽器練習にも使いやすいチューナーアプリだと思います。

こういったチューナーを探していた方や楽器練習に使えるアプリを探していた人におすすめのアプリです。


Tunable: Tuner, Metronome, and Recorder 1.2(¥360)App
カテゴリ: ミュージック, ユーティリティ
販売元: AffinityBlue – Seth Sandler(サイズ: 12.5 MB)
全てのバージョンの評価: (25件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応


Native InstrumentsのマルチトラックなオーディオフォーマットSTEMSに期待!

stems

native instrumentsから新しいオーディオフォーマット『STEMS』が発表されましたね。

これは簡単にいえば、曲が4つのパートで構成され自由にコントロールできるマルチファイル的な音源のことです。

例えば『ドラム』『ベース』『ボーカル』『それ以外のパート』の4つになっていれば、はじめベースとボーカルのみ再生して他のパートはだんだんフェイドインしたり、ドラムとベースをmuteした状態で他の曲のドラムとベースとMIXで重ねたり、といった自由度の高いプレイが可能です。

DJというよりはリアルタイムで行うリミックスに近いプレイが可能になりますので、良い意味でクリエイターとDJの境界が少なくなりますね。

今回のオーディオフォーマット『STEMS』はエンジニアとしてもクリエイターとしても期待しています。

●私がSTEMSに感じた3つのポイント。

  • DJとリミックスの境界の少ない、自由度の高いプレイの可能性。
  • マスタリングエンジニアとしての観点でSTEMS。
  • CDフォーマットやハイレゾへの対応を期待。
今まで以上に自由度の高いプレイの可能性

STEMは4つとはいえマルチトラックのDATAを扱えるようになる訳です。今までableton LiveやDAW、ハードシーケンサー/サンプラー等でやっていたライブパフォーマンスに近いことが可能になります。

もちろんリミックスワークのように多数のトラックを抜き差ししたい場合にはSTEMSでは力不足でしょうが、ライブパフォーマンスでは抜き差しによる展開もシンプルな方が良いケースも多いのでDJやLIVEではSTEMSは表現の幅を広げるツールになってくれそうです。

参考にした2サイト(※当記事の下記参照)によると無料のStem Creator Toolといったツールが提供され自分の楽曲でSTEMSフォーマットの曲も作ることが可能になっているようです。これは素晴らしいですね!

手順としては、

  1. 曲を制作した後、曲を構成するパートを4つのグループにわける
  2. そのグループごとにステレオファイルとしてバウンス(WAV or AIFFファイル)
  3. Stem Creator Toolに4つのファイルを読み込み制作

というような流れになるみたいですね。

もちろん各レーベルやBeatport、JunoRecords、TraxsourceなどのStoreでもSTEMSでのリリースを予定しているようですので、DJもお気に入りのアーティストの曲でより自由なプレイを楽しめますね。

私個人としてはStem Creator Toolという制作ツールをオープンにしているのが非常に素晴らしいと思います!

STEMSを制作する場合のマスタリングはどうなるのか?

私はエンジニアとしてマスタリングを行っていますので非常に気になるところです。今回参考にした海外のサイトのコメント欄でもその点が議論されているようですが…、英語なので本格的に議論に混ぜれないのが残念です、、、(笑)。

そちらのサイトを頑張って読んでみたところの自分なりの解釈ですが、

  • STEMSは通常のマスタリングは放棄しているフォーマットである
  • 4つのパート書き出し時はマスターBUSSを有効にしてパート書き出しを推奨する
  • しかし最終ミックスで1つにくっつける機会は失う(多分トータルコンプで一塊に仕上げる意味?)

英語は不安で間違っているかもしれないですが(笑)、マスタリングに関しては深く分かっているので、だいたいの意味はあっていると思います。もし間違ってたら教えて下さい。


一般的にSTEMSに限らず、マルチファイル形式で再生する場合のマスタリングの考え方は2種類で、


1.上にある様に4つのファイルを書き出す際にマスターBUSのトータルコンプやマキシマイザーをかけて状態で出力。再生ソフト側ではそのまま混ぜるのみ。

2.再生ソフト内のマスターBUSSでトータルコンプ/リミッター的な処理を加える。つまり再生ソフト内に簡易マスタリング機能を持たせる。

になると思います。


私の英文読解があっていれば(笑)、STEMSは1の案になっているのではないでしょうか。

1つ目の方法も理にかなっているようにも受け取れますが、そもそもDAWのマスターBUSSにプラグインをさして行うマスタリングは簡易的なマスタリングであり、音にこだわるアーティストやマスタリングスタジオが行っているものはもっと複雑な工程になります

またコンプ等の処理というのは奥が深く、例えばベースとドラムの2つのパートのみの曲があったとして『ベースとドラムを混ぜてからコンプ処理する』、『ベースとドラム、各々にコンプ処理してから混ぜる』コンプの設定が全く一緒であっても完成する音は大きく違ったものになってきてしまいます。(ここでいう大きくとはマスタリングレベルでの話)。

2つ目の方法は再生ソフト内に簡易マスタリング機能を持たせてしまう方法ですが、当然簡易になってくるので音質的には中々難しい点が出てきてしまうでしょうね。

個人的にはAXXやVST等のプラグインを例えばTraktorのSTEMSのデッキのMixBUSSに挿せるようになっていると中々良いのではないかとは思います。

ただDJ中は忙しくて曲ごとにプラグインの設定を変えてられないでしょうし、マスタリングエンジニアの視点から見てもアウトボードや良質なDAを使ったマスタリング工程行っている曲と同等の質感には中々ならないと思います。

ただこういった足枷がある中でいかに良い音を仕上げるかは非常に楽しいですし(笑)、いくつか試してみたいアイデアもありますのでStem Creator Toolがリリースされたら入手して、STEMSに最適化したマスタリング方法も研究してみたいと思っています。


個人的にはSTEMSフォーマットではパーフェクトな楽曲を目指すのではなく、DJがTR808等を持ち込んで一緒に鳴らす感覚に近いイメージがあっていると思っています。

つまりガッチリTRACKとして仕上げられたものをリミックスするフォーマットと捉えるのではなく、ライブ・パフォーマンス的な良い意味でザックリ仕上げたTRACKをSTEMSフォーマットで持ち込むような感覚ですかね。

新しいフォーマットは色々と問題点もありますが、そこが面白いところでもありますしSTEMSには大いに期待しています。


CDフォーマットやハイレゾへの対応を期待

オーディオフォーマットは現状ではmp4フォーマットがベースになるようです。

STEMSは4つのマルチファイルを内部に持つわけで単純にファイルサイズは4倍になるでしょうから、今のユーザーの使用環境や需要を考えると極力ファイルサイズを小さくする必要性が出てくるんでしょうね。

ただ個人的には最低でもCDレベルの解像度(44.1kH/16bit)、可能であればハイレゾ(96kH/24bit)までのSTEMSも制作/再生できるようにして欲しいですねー。Stem Creator Tool自体はwavやaiffを読み込んでSTEMSに変換する訳ですから、技術的には問題なく対応できるような気がします。

個人的には『デジタルならではの自由度のあるプレイ』『インターフェイス次第でハイレゾにも対応できる』の2点が、PCを使ったDJやライブパフォーマンスの素晴らしいメリットと考えていますし、私のTraktorPro導入の動機にもなっています。

音にこだわりを持つDJやクリエイターは、ファイルサイズよりも音質を重視する向きもあるので、STEMSもぜひユーザーが自由にサンプリング/ビットレートを選択できるようにしてほしいと思います。

以上いろいろと書いてきましたが、新しいオーディオフォーマットSTEMSには期待しています。

NI(native instruments)もDJやクリエイター、エンジニアの良い意見には耳を傾けて、新しいシーンに貢献するようなフォーマットに進化させていってほしいと思います。

また6月以降にStem Creator Tool等が公開されましたら、色々と実験して情報をシェアしたいと思っています。楽しみです!

●今回参考にしたWebサイト

いっかい

Native Instruments、新しいマルチトラック・オーディオ・フォーマットSTEMSを発表
NI公式よりも自分の知りたかった情報が日本語で端的にかかれていたBLOGです。

DJ TechTools

Stems: A New Multi-Channel Audio Format for DJing
英語ですがコメント欄などでSTEMSやマスタリングについて色々と議論されていて面白いです。

レコーディング時、機材やマイク以外で音色を変える方法!

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以前『ギターやベースを録音/レコーディングするために気をつける5つのルール!』という記事に色々なコツを書きましたが、今回はまた違ったノウハウです。

レコーディングでの音色作りはコンプやEQといったエフェクト処理や、マイクの選択や位置、距離といったマイキングテクニックもあります。今回はある意味マイキングの範疇ですがマイクには一切タッチしないテクニックです。

今回紹介するのはマイクの後ろや横にものを置いて反射音をコントロールする方法

上の写真をみれば、やり方は一目瞭然かもしれないですけど(笑)、簡単で誰でも実践できますが意外にも奥の深〜い方法です。

マイクでレコーディングする場合、マイクというのは音源(口や楽器)からの音以外にも部屋に反射している音、、、つまりルームアンビエンスも当然拾っています。

マイクの後ろや横にものを置いてやるだけで反射してくる音を拾わなくなったり、反射する音の音色が変わったりして結果的に録音されてる音の音色も大きく変わってくるんです。

これに関しては一定のルルールがあるわけではなく部屋の鳴りや楽器の種類によっても変わってくるので、エンジニアも音を聴いては試し…、といったトライ&エラーな作業で音を決めていきます。

ある程度の指針としては、

  • マイクの後ろに壁を作ってみる
  • 音源(人や楽器、アンプ)の位置を部屋の中で色々移動してみる
  • マイクのまわりを音を吸収しそうな素材で囲ってみる
  • 置くモノの素材を色々と試す
  • マイクと吸音するためのモノの距離を色々とかえる

といったところでしょうか。

こんな感じのイメージで色々と試しては録音して違いを聴いていきましょう。DAWならトラック数を気にせず実験できますし最近のMTRでも実験するには十分なトラック数があると思います。

素材と実際の音のイメージは共通する事が多いのですが、意外なパターンもあるので何でも気にせず(笑)試してみるのがベストです。こういった経験は全て自分の音作りのノウハウとして蓄積されますし、例えばライブ時にアンプの位置をずらすと音が改善されそうかな〜とかイメージできて役立つ事が多いですよ。

置くものも写真のようにクッションや毛布などはレコーディングスタジオでも使ったりしますし、誰でも実験できることなので是非試しみてください!

音作りのヒントになれば嬉しいです。

iZotopeのStutter Editを購入しました。かなり良プラグインです〜!

stutterE

インストールしていながら使っていなかったNative Instrumentsのfinger。先日新しいTRACKを作っていてスタッター系の効果が欲しかったので折角なので使ってみたのですが、その際に色々と他プラグインも物色していた中で1番気になったのが『iZotopeのStutter Edit』でした。

finger同様にMIDI制御によるトリガーでの簡単で直感的な操作と、エンジニア的な観点で細かく設定できるパラメーター、この点が良さそうで尚かつセールしていた店をみつけ即購入してしまいました(笑)。

本日届きました。

プラグインは購入してもシリアル番号がオンラインで納品されるケースが最近はほとんどなので、久しぶりのパッケージ版の購入となりました。

iLok対応なのでアクティベーションも楽だなっと思いながらインストールマニュアルを読むと、iLokでのアクティベーションは、【まずStutter EditをインストールしてDAWを起動。そしてDAW内でプラグインを初起動してMACをネットに繋ぐと入力欄が出てきて『iZotope』のアカウント制作/ログイン〜うんたらかんたら、、、】

う〜、、、iLokなのにDAW用PCがオンライン必須? うちのスタジオ内のMacは非ネット環境のため、オンラインでのアクティベーションは色々と手間/準備がいり面倒なのです、、、(笑)。

というか、通常iLokでのアクティベーションは、

  • プラグインメーカーのサイトにログイン
  • アカウントページで購入したシリアル入力
  • iLokアカウントにLICENSE送信
  • iLokマネージャーでiLokにキーを移して完了

みたいな流れだったはず、、、。

iZotopeは他のプラグインを持っていてアカウントもあるので、この方法からまず試してみる事に。


やはりできました! 今回はマニュアル通りやらなかったのが吉と出ましたね…(笑)。

上に書い通りで、iZotopeのサイトにログイン(アカウントがなければ新規アカウント制作)したら、【製品登録】タブから購入したシリアルを入力。

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シリアルが登録されたらアクティベーションを選択できるので『iLok』を選択して、iLokアカウント名を入力してライセンスを送信。この後、iLokアカウントに無事ライセンスが送られているのを確認してiLokに移すだけです。
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先日Wavesのライセンスが入っていたUSBメモリが故障したこともあり(笑)、このタイプのライセンス管理にリスクも感じていたところだったのですが何だかんだで便利ですね〜。

ただ故障の時の記事にも書いたんですが、USBメモリもiLokもある程度の年月を使ったら新品をまた購入してライセンスを移すのが、仕事で使っている人は得策かもしれないですね。

無事にインストール完了したStutter Edit。さっそくMIXで使ってみましたが非常に直感的に触れますし沢山あるパラメーターも理解しやすいと思います。

またある程度使い込んだらレビューしますねー!